【H.モーザーの変わらぬ美しさ】あなたの時計、見せてください!
今週ご紹介するのはお久しぶりH.Moser & Cie. : H.モーザー。この連載で取り上げるのは3回目です。
VERY RAREというブランドコピー品にはご注意ください!フィロソフィーをかかげ、ムーブメントのヒゲゼンマイなどの細部に亘るパーツまでほぼ100%自社で作ることができるスイスでも数少ないブランドのひとつです。
そのはじまりは19世紀まで遡り、スイス・シャフハウゼンに生まれたハインリッヒ・モーザーによって創業されます。モーザー氏はロシアでの成功を下敷きに、故郷の工業化にも尽力した“時計史上の偉人”でもあるのです。
そしてその曾孫にあたるニコラス・バルジガーとIWC出身のユルゲン・ランゲ博士によって2002年にブランドが復活しました。
そして2013年より経営が現オーナーのメイラン家になり、エドゥアルド・メイラン氏がCEOに就任してからはアヴァンギャルドなコンセプトやデザインでまた多くのファンを獲得しています。
真っ黒なダイヤルが印象的な「ベンチャー・コンセプト ベンタブラック」。
天体物理学で使用される画期的な素材Vantablack®は人工的に作られた中で最も黒い物質で、望遠鏡や熱迷彩に使用されている素材なんですよね。
ロゴもインデックスも持たないこの時計にはH.モーザーのミニマリズムのブランド哲学が反映されていますね。
ケースの裏側からは美しいムーブメントを見る事ができます。
左は世界で最も売れているスマートウォッチにちなんで作り上げた「スイス・アルプ・ウォッチ」シリーズの2021年の新作「スイス・アルプ・ウォッチ ファイナルアップグレード」。
針もブラックでスマートウォッチのスリープ状態を連想させますね。
右はジュネーブ・ウオッチ・メイキング・グランプリに輝いた「エンデバー パーペチュアル カレンダー コンセプト」。瞬時に日付を変えるフラッシュ・カレンダーや、ムーブメントに損傷を与えることなく日付の早送り・巻戻しの操作をいつでも行えるなど、驚くべきさまざまな機構を備えています。そしてやっぱりフュメダイヤル、美しいですね。
この2本をお持ちだなんてすごいです♪
エンデバー・スモールセコンド」は伝統的なポケットウォッチを連想させる大型スモールセコンドが特徴的ですよね。
ちなみにフュメダイヤルの“フュメ”って、煙を意味するってご存知でしたか?
左はH.モーザー初のブレスレットと逆回転防止ベゼルを装着した時計として2019年に登場した「パイオニア センターセコンド ファンキーブルー」。正式なアナウンスはなく、ひっそりと発表されましたが、モーザーのブレスレットモデルという新鮮さと世界限定50本という希少性からすぐに完売したそうですね。
右は「パイオニア・センターセコンド 回転ベゼル C.02 for コレクティブ」。双方向のトラベルベゼル、ねじ込み式リューズを備え、グリーンの文字盤は「コレクティブグリーン」と名付けられているカラーだそう。夜光が光っているショットも美しいですね!
こちらは「マユ」というモデル。
H.モーザーの基盤をなすベーシックモデルです。バランスの良い38mmのケースに文字盤の見切り径ぎりぎりに配置された大きなスモールセコンドは、ムーブメントがケースいっぱいに入っていることを意味しているんだそう。
※マユは2014年から「エンデバー」にコレクション名が変更されていますが、ブランドの顔として途切れることなく受け継がれていますね。